INTERVIEW

企業インタビュー

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佐波川の花火は誰が上げている?5月5日の子どもの日、入院中の子どもたちへ届ける鎌田煙火5代目の想い

鎌田煙火

毎年5月5日の子どもの日、防府市の佐波川河川敷から花火が上がります。山口県立総合医療センターに入院している子どもたちへ届けようと、この花火を打ち上げているのが「鎌田煙火(かまだえんか)」です。

鎌田煙火は、山口県防府市で明治45年に創業し、100年以上にわたり地元の行事やお祭りで花火を打ち上げ続けています。

今回は、先代の急逝により突如バトンを引き継ぎ、防府の夜空に光を灯し続ける5代目の石丸大樹さんに、5月5日の佐波川河川敷花火にかける想いや、これまでの歩みについてお話を伺いました。

鎌田煙火(公式サイト | Instagram | X(旧Twitter))
夜空に広がる美しい花火大会

打上げ花火から仕掛け花火まで。安全な打ち上げを支える職人技

── 普段、鎌田煙火様ではどのようなお仕事をされているのでしょうか。

石丸さん: 主に地域のお祭りや行事で花火を打ち上げています。花火にはいろいろな種類があり、夜空に広がる大きな打上げ花火はもちろん、運動会などの合図で使う「信号花火」や、文字や形を浮かび上がらせる「仕掛け花火」も広く扱っています。

花火を上げる前には、「この場所なら何号玉まで安全に上げられるか」「何発が適切か」といった、徹底した現場の安全確認が欠かせません。きらびやかな打ち上げの瞬間に注目が集まりがちですが、実はその何倍もの時間をかける事前準備や、確かな安全判断こそが私たちの最も大切な仕事です。

地域の方から「今年はこんな演出で花火を上げたいんだけど…」と直接ご相談を受けることも多く、そうした温かいやりとりも含めて、私たちは“地元と一緒につくる花火”なのだと日々実感しています。

花火玉を丁寧かつ安全に打上筒に入れる様子

明治45年創業の伝統。突如訪れた5代目継承への決意とバトン

── 100年以上の長きにわたり、防府で家業が続いてきた理由はどこにあると思われますか。

石丸さん: 先代である父の代までは、ずっと花火一本で真摯にやってきました。父は生粋の職人で、花火の安全や地域の方々との約束に対しては、本当に厳しい人でした。私自身は24歳のときに鎌田煙火へ入社し、現場に入って泥臭く経験を積んでいきました。

家業を正式に継ぐことになったのは32歳の頃です。実は父が急逝したことがきっかけで、当時は引き継ぎに迷っている暇すらありませんでした。あちこちの地域で予定されていた花火大会のスケジュールが、目の前に次々と迫っていたからです。

「まずは地域の花火を絶対に止めないこと」。とにかくその一心だけで目の前の現場を必死に続けてきた結果、たくさんの方々に支えられながら、今こうして5代目の大役を務めさせていただいています。

歴史を紡いできた4代目と5代目のツーショット

5月5日子どもの日。佐波川の河川敷花火と「ふるさと想い出花火」の絆

── 地域に根ざして続けていらっしゃる、特別な取り組みについて教えてください。

石丸さん: 毎年5月5日の子どもの日、佐波川の河川敷から小さな花火が上がる日があります。

これは、近くの山口県立総合医療センターに入院している子どもたちに向けて、「少しでも元気になって、笑顔になってほしい」という願いを込めて先代の父が始めたものです。あえて広く告知はしていませんが、みなさまに支えられながら、2026年でついに記念すべき10回目を迎えることができました。

この「子どもの日花火」や、10月末に開催される「ふるさと想い出花火」は、私たちだけの力ではなく、「ふるさと想い出花火」の実行委員会メンバーをはじめとした地元の仲間たちがボランティアとして深く関わり、一緒になって現場をサポートしてくれています。回を重ねるごとに地域の絆が深まり、本当に「防府らしい温かい花火大会」に育ってきたなと感じています。

現場に整然と並ぶ花火の打上筒

頼れるベテランスタッフと挑む、防府の夜空に光を届け続ける未来

── 共に現場を支えるスタッフの方々は、どのようなチームなのでしょうか。

石丸さん: 現在、スタッフは20人ほど所属していますが、そのほとんどが普段は別の本業を持っている大人たちです。年上のベテランが多く、常に落ち着いて「安全第一」を徹底して動ける頼もしいメンバーばかりです。最近では20代〜30代の若い世代も少しずつ増えてきており、伝統の現場に新しい発想やエネルギーが入ってくるのがとても嬉しいですね。

「防府の街には、地元の空を知り尽くした花火屋がいる」ということを、ひとりでも多くの方に知っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

佐波川での花火も、ふるさと想い出花火も、すべて地域のみなさんと共に歩んできたものです。これからも防府の夜空にたくさんの笑顔と明るい光を届けていきますので、どこかでドンと花火の音が響いたら、ぜひふと空を見上げてみてください。

島根県大田市など、各地の現場で活躍するスタッフたち

【企業情報】鎌田煙火(かまだえんか)

明治45年の創業以来、防府の地で100年以上にわたり花火を打ち上げ続けています。お祭りや各種行事、仕掛け花火の演出など、安全第一をモットーに地元の夜空へ感動をお届けします。

  • ● 創業:明治45年
  • ● 取扱メニュー:打上げ花火(各種イベント・お祭り)、信号花火(運動会・行事用)、仕掛け花火、文字花火の企画・演出・保安管理一式