消費者の価値観を読み、「ニッチ」な商品を生み出す
~日経MJ 6月30日号より抜粋~
コネクト22・情報発信担当の岡村です。
先日、
「生活の中で何に一番お金をかけていると思う?」と質問され、
パっと浮かんだのが「食べること」だったのでそのように回答しました。
ちなみに、質問してきた方は
「趣味の道具。それ以外は特にこだわりがない。」と話していました。
衣・食・住のどこにお金をかけるか、
育った環境や生活スタイルにより人それぞれかと思います。
そして、リーマンショック、大震災などの災害、コロナ禍などの影響で
生活スタイルが変化し、価値観が変化したという方も少なくないかと思います。
そこで、
「価値観の変化」と求められているものの
ヒントになりそうな記事を見つけましたのでご紹介します。
日経MJ 6月30日号の記事です。
コロナ禍において二極化が加速している。
一つは所得、もうひとつは節約するモノとお金をかけるモノとをはっきりと使い分ける価値観の二極化だ。
価格が高いモノか安いモノが売れ、その間がふるわない。
こうしたなかで他社との微妙な差異にとらわれず、
ニッチな需要を率先して取りに行くブランドや商品が強くなっている。
※記事より引用
資生堂から2020年12月に発売された
「アルティミューン」のハンドクリームをご存知でしょうか?
私自身、1月頃にプレゼントでいただき使用していたのですが、
ある日母に貸したところ大変気に入った様子だったため、
その場で使いかけを譲りました。
ちなみに、このハンドクリームの価格はいくらだと思いますか?
何と2,200円です。
一般的なハンドクリームの2~3倍の価格です。
ドラッグストア等で見かけるハンドクリームの平均価格を調べてみたところ、
約682円でしたので、
高価格な商品であることがお分かりいただけるかと思います。
ですが、資生堂によると、
計画を大幅に上回る売れ行きのため、
すぐに生産計画を前倒ししたとのことです。
中には、ドラッグストアの数百円の商品から切り替えた人もいるそうです。
こちらの商品の口コミ評価を見てみると、高評価ばかりでした。
・消毒液で手荒れが気になり購入した
・良い香りで癒される
・手以外にも、腕や足にも使っている
・自分へのご褒美やプレゼントで購入した
・伸びがよく、コスパも良い
・他が使えない。既に何本もリピートしている。
高いだけではない、プラスアルファが消費者には好評だったようです。
宝飾品の製造・販売のフェスタリアホールディングスの貞松隆弥社長は
「コロナで二極化が一気に加速した」と語られています。
外出自粛で会いたい人と思うように会えなくなり、
「精神的価値をより重視するようになった消費者」の変化を捉え、
20年のクリスマス限定商品は、
デザインやダイヤモンドの品質にこだわり、
19年の3万円台から5万円台に価格を上げ、
更に通年商品の中心価格帯もあげたところ、
20年9月~21年2月期の販売単価は前年同期に比べ23%伸びたとのことです。
ジュエリーと言えば、
この1年で、パールネックレスを着用している男性のポスターを
雑誌などで見かけることが増えました。
このブームの火付け役は、
SNSにパールネックレスを着用した姿を掲載した
デザイナーのマーク・ジェイコブスではないかと言われています。
彼が身に着けていたパールネックレスはミキモトのもので、
“男性が真珠をつける”をテーマにコム デ ギャルソンと
コラボレーションしたことでも話題となりました。
高くても売れるのは化粧品や宝飾といった情緒的な商品だけではありません。
日清オイリオグループのMCTオイル(85グラムで950円)は
食用油としては割高ですが、
20年度の売り上げは約18億円と19年度比で倍に伸びました。
17年に店頭販売を開始し、他社に先駆けて市場を開拓してきました。
MCTオイルの“MCT”とは、
「Medium Chain Triglyceride(ミディアム チェーン トリグリセリド)」の
頭文字をとったもので、
「中鎖脂肪酸」と呼ばれます。
一般的な油よりもすばやく消化・吸収され、
すぐにエネルギーになりやすいという特長を活かし、
医療現場・スポーツ分野における栄養補給や、
生活習慣病予防など、
様々なシーンで利用されてきました。
さらに、今後は脳の栄養不足改善という領域でも
利用が進むことが期待されています。
詳細は → こちらに掲載されています。
モスバーガーが20年秋に期間限定で売り出した
とびきりシリーズのバーガー2商品は、
同社の他の商品より200円ほど高いですが、
3ヶ月で約220万食売れたとのことです。
それぞれの商品に4種類のお酢を使い、
多種類のスパイスやハーブで幸福感が表現されています。
「モスなら高いだけの価値を提供してくれるだろう」とみている消費者を
幅広く取り込んだ結果と言えます。
コネクト22で開催してきたミニセミナーでも、
「ニッチ市場」について語られる場面が何度かあったため、
ニッチの重要性についてはご承知の方も多いかと思いますが、
「そうすると、数は売れないし・・・失敗したらどうしよう・・・。」
そんな不安もつきものですよね。
世の中で成功している付加価値の高い商品やサービスは、
必ずニッチからスタートしている
そのように断言する専門家もいらっしゃいます。
高価格商品で私が思いついたのは、
ロレックスやオメガといった高級時計、
掃除機やドライヤーのダイソン、
機能性表示食品や特定保健用食品と言われるお茶、
どれも通常よりは価格が高いですが、
通年売れている印象があります。
品質や性能、使い勝手、安心、安全といった
「機能的価値」があることはもちろんのこと、
安心感や充実感といった「情緒的価値」、
誰かに言いたい、見せたいといった「自己表現価値」
この3つが愛される商品には必要だと言われています。
コロナ禍で訪れた「価値の二極化」。
この変化をチャンスと捉え、
自社製品でも新たな需要に対応できないか、
この価値に対応するために新商品開発をするかなど、
考えてみてはいかがでしょうか。
コネクト22では、
販路開拓や新商品の開発のご相談も承っておりますので、
まずはお気軽にお問い合わせください。
また、経営に関する相談を受け付けています。是非お気軽にお越しください!
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