コロナ禍の事業承継で繋ぐ親子の絆 CONNECT22がお手伝いしました ~コネクト22通信 2021年8月号 /事業者インタビュー全文~
コネクト22・情報発信担当の岡村です。
今回は、防府商工会議所会報『幸せます』8月号に掲載された
コネクト22通信の事業者インタビューの全文を掲載します。
今回取材にご協力いただいたのは、
来夜味・中村真由美様です。
お店の「来夜味」について教えてください。
元々両親は、防府市内で喫茶店を経営していました。
幼い頃から両親のお手伝いでお店に行っていたので、
楽しそうに働く両親の姿をずっと見てきました。
特に、母がイキイキしていました。
私も両親のお店が好きで、お店の手伝いをしている時間が本当に楽しかったので、
高校を卒業したら、絶対両親のように商売をしようと決めていました。
喫茶店を始めて約20年目の夏、
台風19号の影響で、看板やお店が崩れ落ちてしまいました。
修復することも考えましたが、
「修復し、またイチから喫茶店をやるのは時代遅れだろうか?だったら居酒屋をやろう!」
と両親が決断し、新たに居酒屋を開業することとなりました。
居酒屋を始めるにあたり、「来夜味」という店名を考えたのは
実は子供の私だったんです。
店名の由来は、
来・・・たくさんのお客様に来てほしい
夜・・・居酒屋さんだから夜の営業
味・・・おいしい味を届けたい
という思いから名付けました。
それと、
四季折々の食材、旬を逃さないという両親の思いから
「暦(こよみ)」ともかけました。
防府市にまだ鉄道高架ができていない頃に、
「あの場所は一等地になるかもしれない」と両親が目星をつけ、
人も通らない、まだ砂利道だった今の場所に、建物と土地を購入し、
居酒屋「来夜味」が始まりました。
2022年1月で、30周年を迎えます。
OPENしてからは、年々売り上げが右肩上がりで、その状態が16年近く続きました。
喫茶店を20年、居酒屋を30年、
トータル50年商売をしている両親のことはとても尊敬しています。
19歳から22歳の頃は、ガムシャラに手伝っていました。
居酒屋という今までとは違うジャンルに挑戦することになったため、
私が約3ヶ月間、北九州の居酒屋へ修行をしに行きました。
その時に、改めて
「防府の食材はおいしいな」「お水やお米がおいしいな」と食の大切さを実感し、
「地産地消」にこだわるようになりました。
親から事業承継したきっかけと、承継される前のお仕事を教えてください。
2009年から10年間、母が代表を務めていましたが、
父の体調不良などもあり、2019年12月に事業承継しました。
両親が経営しているお店なので、私も調理や接客などでお店に出ることがありましたが、
事業を引き継ぐ前は、整体の仕事を本業として行っていました。
私自身「健康オタク」なので、食へのこだわりや健康へのこだわりは人一倍強いです。
調理師学校に通っていた際、恩師から
「調理師と医師は同じ仕事をしている。そのくらいのプライドを持って仕事をしなさい。」
と言われたことが、未だに私の頭の中に鮮明に残っています。
整体と飲食業、
業種は違いますが、人の健康のためにという思いは一緒だと思っています。
事業承継する際、不安はありませんでしたか?
不安だらけで、自信もありませんでした。
ですが、長年両親が積み上げて大切にしてきたお店を誇りに思っていたことと、
絶対にお店をなくしたくない、という強い思いがあったので承継しました。
あと、「使命感」のようなものを感じていました。
「自分は何のために生まれたのだろうか」
ではないですが、
私の場合は両親のおかげで、
自分が本当にやりたいこと、使命感に気付かせてもらったのかな、と感じています。
なので、迷いはありませんでした。
事業承継において、大変だったことは何ですか?
最初の半年は本当に大変でした。
調理や接客はしていましたが、経営や経理の仕事はやったことがなかったため、
分からないことだらけでした。
日々の業務を行いながら、今まで見たことのなかった書類に触れる機会が増えたことで、
必然的にお金の流れや動きを知るようになりました。
また、経営者になったことで従業員のことを今まで以上に考えるようになりました。
従業員は誰一人失いたくない、そのくらい信頼しているメンバーなので、
「すっと働きたい」と思ってもらえるように、この場所を守っていきたいです。
新型コロナの影響を受け、来店客数にも影響が出ましたが、
従業員や従業員の家族の生活のことを第一に考え、
雇用調整助成金などの制度を利用しました。
個々の能力も高く、勤続10年以上の従業員ばかりなので、
私が分からないことは安心して任せることができます。
両親が築き上げてきた歴史とモラルのおかげで、
「来夜味を守りたい」という思いはみんな同じで、
従業員も家族のような存在となっています。
新商品を開発されたとお聞きしました。どのような商品ですか?
真空パックの牛すじカレーのことでしょうか?
自宅で作るには手間暇かかるメニューを、ご家庭で楽しんでいただけるようにと作りました。
新型コロナ感染拡大でテイクアウトの需要も高まってきていることから、
元々やっていたテイクアウトをより多くの方に知っていただくにはどうしようかと考えていました。
そんなときに、同業者仲間から、
テイクアウトメニューが書かれたリーフレットがあればお店に設置したいという声が多く、
その声をヒントに、
手元の置けるリーフレット、そして看板を制作しました。
そのタイミングで、防府市から「がんばる事業者応援補助金」が発表されたので、
コネクト22の相談員さんに相談しながら進めていきました。
テイクアウトのリピーター様も何人かいらっしゃるので、大変ありがたいです。
CONNECT22に来所されたきっかけと、相談して助かったことなどを教えてください。
以前から面識のあったCONNECT22の相談員さんが、
事業承継することを気にかけて、
「良かったら話聞くからおいでよ」と声をかけて下さったことがきっかけで
ご相談に行くようになりました。
調理、接客など現場仕事は大好きでそれなりに得意分野だと自負しているのですが、
経理関係や書類作成などは本当に苦手なので、きちんと指導していただけて、助かりました。
補助金の申請の際は、最初から丁寧に教えていただきました。
4,5年前から商品開発したいなと考えていたものがあり、
それが新型コロナで需要がありそうなことが分かったため、
そのことも相談員さんに話したところ、
特許の専門家を紹介していただきました。
相談してみると、商品化が難しいことが分かり、デザインに関する特許申請ではなく、
商品名の商標申請を行いました。
分からないことを聞ける、頼れる場所があるというのは本当にありがたいです。
私にとって、お悩み相談室のような場所です。
今後の展望を教えてください。
何も起きない方がもちろん良いのですが、毎年何かしらの災害が起きている中で、
防府市もいつ何時そのような災害に巻き込まれるかもしれない、
そして、
今の子供たちが大人になる頃は、今以上に多くの困難に見舞われるかもしれないと考えています。
そうした事態になった際に、食の提供で人を助けられるお店でありたいと思っています。
災害が起きた際にも食事の提供がスムーズにできるようにドライブスルーができたら、と
着々と準備をしているところです。
2022年1月に30周年を迎えますので、
母や従業員、お客様が喜んでくれるようなイベントがしたいと考えています。
両親が築いてきたお店の良さを残しつつ、新たなものを取り入れ、
来夜味にしかできない、来夜味にしかないものを増やしていきたいですね。
また、経営に関する相談を受け付けています。是非お気軽にお越しください!
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