センター長コラム/預金の相続について
コネクト22・情報発信担当の岡村です。
過去2回、「センター長からのご案内」を掲載してきましたが、
今回から新たに「センター長コラム」がスタートします。
不定期での掲載になります。
ぜひ、ご覧ください。
【預金の相続について】
覆った伝統的判例とは預金債権のような可分債権は、
相続開始と同時に法律上当然に分割され各共同相続人がその相続分に応じて承継する、
というものでした。
そうすると預金債権は、相続発生後全相続人で協議する遺産分割の対象にはならない、
ということになってしまいます。
対照的に、伝統的金融機関実務では預金債権も他の相続財産と同じように遺産分割の対象とし、
共同相続人の一部からの払戻し要求には応じない取り扱いが一般的でした。
それには、主に2点の理由があったと考えられます。
①第三者である金融機関は、遺言の存否、相続人の範囲、遺産分割の同意の有無等を正しく認識することが困難であったこと。
②一部の相続人からの払戻しに安易に応ずると、遺産を巡る相続人間の争いに巻き込まれる恐れがあったこと。
経験された方もあると思いますが、金融機関が預金者の死亡の事実を確認すると、
当該預金の払戻しを一部からの払戻しに備え即座に凍結していたのはそのためです。
しかし、珍しいことではないと思われるのですが、
伝統的判例では遺贈や個別に財産贈与などがあった場合、相続人間で不公平感を生じてしまいます。
事実、判例が覆った要因は、争われた事案に特別受益者が存在していたことでした。
金融機関に身を置いてきた者としては、
この判例が永く伝統的地位に有り得たことが不思議に思えます。
2016年12月19日最高裁決定:共同相続された普通預金等について
「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることなく、遺産分割の対象となる(共同相続人の共有に属する)ものと解するのが相当である」
最高裁の伝統的判例が覆され金融機関の伝統的実務に帰結した瞬間でした・・・
前述の当該預金の払戻し凍結が余りにも徹底し過ぎていた(?)ことや、
近年の相続税の基礎控除額減額などを受けて、
金融機関も相続人の当該預金の払戻しについて徐々に対応を柔軟にしてきました。
そして、新決定を受けて、民法も改正になりました。
即ち、相続人が複数いるケースで、
一人の相続人ででも預金総額の1/3×共同相続人の法定相続分か
150万円のどちらか低い額を上限に当該金融機関に払い戻しを請求できる、
ということになりました。
もっとも、
この改正の通りの相続実務をするかどうかは各金融機関の任意となっているようです。
相続がより身近になっている現在、
押さえておきたい知識の一つと言えると思います。
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